玉川温泉で湯治するには?
そもそも玉川温泉は、創立者が湯治により持病の皮膚病を治したことから始まる。この優れた恩恵を人々に与えるため、未開の地の開発に心血を注ぎ込んだのだ。この尊い意志が引き継がれている入浴施設はまさに圧巻。湯治のできる最高の環境がここにある。 |
玉川温泉には3つのホテルごとに、立派な入浴施設が完備され、湯治をするにはどれをとっても非常に満足度が高い。青森ひばを使った太い柱があり、天井が非常に高いのが大きな特徴。強酸性の泉質のため、ほとんどのもが木で作られており、金属部分が無い。木のぬくもりに包まれながら湯治をすれば心身ともに癒されそうだ。玉川温泉の数ある適応症は後述。 |
湯治の仕方と飲泉の仕方を教えて!
ホテルには、宿泊者が適切に入浴できるように、湯治の仕方と注意事項の詳しい説明書きがある。ここでは実際に案内されているものを紹介。前もって湯治の予備知識を得ることで正しい温泉湯治を実践しよう。 |
入浴の仕方と注意事項 (2)かけ湯について (4)入浴の回数について |
飲泉の仕方と飲泉についての注意事項 (2)飲泉の温度について (4)飲み方について |
「湯中り(ゆあたり)」について |
玉川温泉の適応症ってどんなものがあるの?
温泉には泉質に応じて適応症というものが存在する。湯治を行う前にあらかじめきちんと確認しておこう。 |
適応症について1
玉川温泉の適応症 1.疲労回復、健康増進、体位向上、体質改善 3.運動器疾患 リウマチ、慢性関節炎、五十肩、脳出血後の半身不随、各種疾患後の筋委縮および四肢麻痺 5.新陳代謝疾患 糖尿病、肥胖病、脚気その他 6.循環器疾患 7.皮膚疾患 各種動物性皮膚病、各種真菌性皮膚病、各種細菌性伝染性皮膚病、慢性湿疹、慢性蕁麻疹、紅皮症、神経性皮膚病、脂漏、多汗症、慢性皮膚炎、苔癬、乾癬。 8.外科疾患 慢性骨膜骨髄炎、骨瘻、各種難治性創傷、褥創、下腿潰?痔疾、各種関節硬直、運動器外傷並びに障害の後処置、突発性脱疽。 9.小児疾患 一般虚弱体質、体質改善、貧血、慢性鼻咽喉気管支炎、慢性自家中毒症、小児ストロフルス、その他一般成人疾患に準ずる。 10.婦人科疾患 各種慢性炎症性疾患、月経障害、不妊等。 |
適応症について2
飲泉療法は西欧では浴治療法よりも盛んで、現在ではほぼ定着した状態となっているようだ。日本では湯治というと、入浴のことを意味するので飲泉についての普及はまだまだの様だ。 |
飲泉の適応症について
飲泉の適応症 1.消化器疾患 慢性胃腸炎、胃酸減少および無酸症、胃アトニー、常習便秘及び慢性下痢症、慢性消化不良症。 2.皮膚疾患 浴用に準ずる 3.血液疾患 鉄欠乏性貧血症 4.新陳代謝病、糖尿病 5.一般虚弱体質改善、病後の回復期 |
禁忌症について
玉川温泉の禁忌症(温泉入浴に関する)
2.重症心臓病 3.急性、重症腎臓病
4.重症肺結核症 5.脳出血の危険のある
8.急性湿疹、その他一般的に急性皮膚疾患、皮膚および粘膜の過敏なもの
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ホテルにあるこのような説明書きには、事前に必ず目を通して自分の体の状態と相談して湯治を行うことが大切だ。 |
源泉の成分ってどうなってるの?
源泉の泉質は「酸性-含二酸化炭素・鉄・アルミニウム-塩化物泉」で第一の特徴は、塩酸酸性でPH1.05と極めて酸性が強く、遊離塩酸が遊離硫酸よりも多く含まれており、同じ酸性泉として有名な草津温泉とは全く逆になっている。第二の特徴は全国でも屈指の高弗素泉(フッ素)であり、砒素を多く含んでいる。よって飲泉の場合は源泉のまま常飲はせず、10ミリリットルを10倍に希釈して1日の飲用量を100ミリリットルとし、砒素の量を飲料水基準以下にすることで無害としている。源泉水を素人判断で勝手に大量に飲まないように気をつけよう。 |
玉川温泉では昭和18年に玉川温泉研究会が発足して以来、各科の医学者による研究が行われており、中でも飲泉についての研究は東北大学の関係者により広く行われて来ている。 |
写真の資料は、ぶなの森玉川温泉の宿泊者向けの案内、温泉療法医・医学博士杉江忠之助氏の入浴の仕方と注意事項より。 |